「ディーセント・ワーク」の実現を目指して
はぁもにぃの目指すソーシャルファームの形
はぁもにぃでは、様々な特性を持った人の雇用の場「ソーシャルファーム」の実現への一歩として、
「ソーシャルファーム・プロジェクト」を立ち上げました。
この活動を通じて、一人でも多くの方に、彼ら(障碍という困難な特性を引き受けて生まれてきた方々)のすばらしさや
素敵な魅力を知っていたただき、同時にこの社会の中で生きる彼らの生きづらさや苦労を理解していただけたら、と思います。
自分にとって大切なことは何なのか……誰と比較することも、何と比較することもなく、その本質を知っている彼ら。
そんな彼らがありのまま、社会に参加できる場が欲しい。誰もが「働くよろこび」や「やりがい」を感じられる環境を整えたい。
そんな思いではぁもにぃは活動を続けています。ディーセント・ワーク(働きがいのある、人間らしい仕事)の実現は、
障碍者だけではなく、すべての方にとって有益だと考えています。誰もが「互いを認め合い、支え合い、助け合える」ことができる
コミュニティ・環境づくりを目指します。
自分を発見する
「働く」ことで得られる充実感その結果得られる「報酬」は大人(自立)の証のようで、
自信や誇りを与えてくれる。
障碍の有無にかかわらず、様々な理由から「働く」ことが難しい方々は少なくありません。
障碍を持っているのかどうかが確定できないグレーゾーンの方々、うつ病などで苦しんでいる方々……。
様々な理由から、「働きたい」という気持ちを持っていても働けない人々は多いのです。
「働く」ことで得られる充実感は、その人に自信やほこりを与えてくれます。
はぁもにぃでは、障碍者の方々に限らず、生きづらさを感じていらっしゃるすべての方々にとっても働きやすい場所を作り、
おひとりおひとりにとって自分らしい生き方を発見してもらえたら、と考えています。
互いの違いを認めながら、共に生きる。みんなが同じである必要はない。個性の違いは、優劣とは違います。
“共生”をまじめに考えながら、差別のない社会を目指します。
ソーシャルファーム(Social Firm)とは
ソーシャルファームとは、障碍者あるいは労働市場で不利な立場にある人々のために、仕事を生み出し、また支援付き雇用の機会を提供することに焦点をおいた企業活動です。
1970年頃に北イタリアの精神病院で、入院治療が必要でなくなった人が地域に住み仕事に就こうとしましたが、偏見差別意識から雇用する企業が現れなかったため、病院職員と患者が一緒になって仕事をする企業を自ら作ったのがはじまりです。その後、ドイツ、オランダ、フィンランド、イギリスなど、ヨーロッパ各地に広まり、今では様々な国で活発に活動が行われています。
欧米と日本の違い
欧米ではあたりまえの制度として、教育の段階から合理的配慮が行われていますが、日本ではまだまだ遅れているのが現状です。日本の障害者雇用対策では、雇用する労働者の2%相当の障碍者を雇用しなければならない義務がありますが、あくまでも形だけのところが多く、障碍者がやりがいや誇りをもって働き、自立できているかというとまだまだ遠いと感じています。ソーシャルファームについても日本で成功している事例はほんの僅かしかありません。
ディーセント・ワーク(Decent Work)とは
ディーセントワークとは、働きがいのある人間らしい仕事という意味です。まず、仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利・社会保障・社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
就労継続支援A型の提供
はぁもにぃでは就労継続支援A型を提供しています。
はぁもにぃに関わる人たちは、障碍福祉制度が使える手帳の所持者だけではありません。
様々な理由から社会参加ができず、自宅のみでの生活を余儀なくされている方々や、社会復帰を希望する方々も多く関わっています。
就労継続支援事業所とは
就労継続支援事業所とは、障害者総合支援法に基づく就労継続支援のための施設です。
一般企業への就職が困難な障がい者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与することを目的としています。
A型について
同事業所ではA型雇用あり・雇用なしサービスを提供しています。
- A型雇用あり
- サービス利用希望者とサービス利用契約を結ぶと同時に雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障するしくみの“雇用型”。
- A型雇用なし
- サービス利用契約を結ぶのみで、雇用契約は結ばず、利用者が比較的自由に働ける“非雇用型”。
はぁもにぃの利用定員は、雇用あり10名、雇用なし5名です。
はぁもにぃではまず非雇用型契約でお受けし、最短1カ月~最長2年で、希望者全員を雇用型にシフトしていけるよう取り組んでいます。
はぁもにぃが目指すもの
半径20キロ圏内からのノーマライゼーション社会の実現
生まれてくる命の中には、一定のパーセンテージで障碍を持つこどもたちがいます。
彼らは誰かが必ず引き受けなければならない、でも誰も引き受けたがらないそれを、
「僕が(私が)引き受けます!」と名乗りをあげてくれたのだと、私たちは思っています。
そんな優しくて素敵な彼らと一緒に互いの違いを知り、認め合い、支え合い、補い合い、
誰もがつくろうことのない笑顔で過ごせる地域社会を、つくり上げていきたい。
半径20キロ圏内に真のノーマライゼーション*の実現を目指して、はぁもにぃは活動しています。
* ノーマライゼーション(Normalization)とは、障碍者(広くは社会的マイノリティも含む)が、
一般市民と同様の社会生活をおくることを可能とするための環境整備を目指す理念です。